スマホ修理の記録を「傾向」として読み直す
スマホ修理やiPhone修理の現場では、毎日少しずつデータが積み重なっていきます。どの機種が来た、何の修理だった、何時ごろ来店した——。これらを1件1件見ていても気づきにくいことが、まとめて見ると輪郭が浮かんできます。
今回は、2026年1月1日から4月16日までのスマートフォン・タブレット修理の記録(完了件数356件)を集計し、曜日・時間帯・年代・修理カテゴリ・機種のそれぞれの傾向を確認しました。特定の店舗のデータではありますが、修理需要の実態を知るうえで参考になる部分があると感じたので、グラフをもとに紹介します。
修理記録を分析すると、感覚とほぼ一致するものもあれば、グラフにして初めて「こんな偏りがあったのか」と気づくものもあります。
スマホ修理の曜日別傾向
まず、スマホ・iPhone修理の曜日ごとの依頼の偏りを確認しました。
曜日別・時間帯別の修理依頼の傾向 2026年1〜4月の集計。左が曜日別、右が時間帯別の分布です。
グラフを見ると、水曜日に依頼が集中しやすい傾向が見えます。火・木・土も比較的多く、週の中盤から後半にかけてボリュームが厚くなっています。
一方、月曜は他の曜日と比べると少なめです。週明けは来店するほどのタイミングとは感じにくいのかもしれません。
修理店にとって
依頼が多い曜日に合わせてスタッフ配置を厚くすることで、受付の待ち時間を減らせる
販促のタイミング
依頼が少ない曜日の前後にSNS投稿や告知を入れることで、平準化につながる可能性がある
来店を考える方へ
水曜前後は混み合いやすい傾向がある。週明けや平日の空いている時間帯を狙うと待ちが少ないかもしれない
曜日の傾向は店舗の立地や営業形態によって変わります。自店のデータを定期的に確認すると、実態に合った判断がしやすくなります。
スマホ修理の時間帯別傾向
同じグラフの右側に、時間帯別の集計があります。
来店型のスマホ修理では、10時以降から依頼が増え始め、12時前後と16時前後に2つのピークがある形になっています。昼休みや、仕事・学校終わりのタイミングに合わせて来店する方が多いことが見てとれます。
夕方以降も一定の依頼があり、18時〜20時あたりまで比較的安定したボリュームが続きます。早朝はほとんど動きがなく、実質的な受付ピークは昼から夕方の帯に集中しています。
受付体制の最適化
ピーク帯(昼・夕方)は1人で受付が重なりやすい。この時間帯に複数対応できる体制があると安心
修理完了の段取り
12時前後に預かった修理を夕方のピーク前に完了させると、スムーズに引き渡しができる
来店される方へ
昼と夕方は特に混み合いやすい。午前中や夜遅めの時間帯は比較的落ち着いていることが多い
年代ごとの修理依頼の傾向
次に、依頼者の年代別の傾向を見ました。
年代別の修理依頼の傾向 20代の依頼が突出して多く、次いで40代、30代の順になっています。
グラフからは、20代が最も多く、次いで40代、30代という順が見えます。10代以下と60代以上は相対的に少なくなっています。
20代が多いのは、スマートフォンの利用頻度が高く、かつ自分で修理店を探して持ち込む行動をとりやすい年代だからと考えられます。40代が30代より多いのは、やや意外な印象もありますが、端末への依存度や利用環境が影響しているのかもしれません。
年代の傾向は、集客の導線や告知メディアの選び方を考えるときの参考になります。どの年代に届けたいかによって、発信方法が変わってきます。
修理メニューの訴求
来店年代に合わせて訴求するメニューを変えると、より刺さりやすいコミュニケーションができる
集客の見直し
20代・40代に響きやすいSNSや検索キーワードを意識すると、問い合わせの質も変わりやすい
サービス導線
年代によって「調べる方法」「来店のきっかけ」が異なる。入口を複数持つと幅広く対応できる
修理記録の傾向を自動で確認できます
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修理カテゴリの傾向
どの種類の修理が多いかも、集計してみると傾向が見えます。
修理カテゴリランキング(上位10件) バッテリー系が上位を大きく占め、次いで液晶系の修理が続いています。
グラフを見ると、バッテリー関連(バッテリー・バッテリー交換)が上位2カテゴリを占め、全体でも突出した件数になっています。次いで液晶破損・液晶の修理が続き、起動不良・充電不良・液晶交換・表示不良が中位に並んでいます。データ救出も一定数あります。
バッテリーと液晶で依頼の大半を占めるのは、多くの修理店に共通する傾向かもしれません。ただし、件数だけで判断するのではなく、実際の作業状況も踏まえて修理メニューの優先度を決めることが大切です。
- バッテリー系:件数が最も多く、需要は安定している。部品の在庫管理が重要になる
- 液晶系:液晶破損・液晶・液晶交換を合わせると相当数になる。スクリーンの在庫確保が欠かせない
- 起動不良・充電不良:症状の原因が複数考えられるケースもあり、対応スキルの幅が求められる
- データ救出:件数は少ないが、依頼者にとっては緊急性が高いことが多い
カテゴリの傾向を把握することで、どの修理を前面に打ち出すか、部品在庫をどの修理に厚く持つかの判断材料になります。
iPhone・スマートフォンの機種別修理傾向
最後に、修理に来たスマートフォンの機種ランキングを見ます。
詳細機種ランキング(上位10件) repair.modelフィールドで集計。未入力は除外。iPhone SE第2世代が最多で、SE系・13系・旧機種が上位を占めています。
上位10機種はすべてiPhoneでした。スマートフォン全体の中でもiPhone修理の需要が大半を占めていることがわかります。機種の内訳は以下のとおりです。
- iPhone SE(第2世代):22件
- iPhone 13:16件
- iPhone SE(第3世代):14件
- iPhone 12:11件
- iPhone 8:10件
- iPhone 12 Pro:8件
- iPhone 11:7件
- iPhone 11 Pro:6件
- iPhone 13 mini:6件
- iPhone 15:6件
iPhone SE(第2世代)が22件でトップです。SEシリーズはコンパクトで手頃なこともあり、長く使い続けているユーザーが多いのかもしれません。SE第3世代も14件と上位にあり、SE系の根強い需要が数字として見えます。
iPhone 13が16件で2位に入っている一方、iPhone 8(2017年発売)が10件と依然として上位にいるのは興味深い点です。古い機種でも現役で使われている端末が多く、修理需要が続いていることがわかります。最新機種のiPhone 15も6件と顔を出していますが、この時期においては旧機種の依頼が主流です。
在庫の持ち方
SE系・13系の部品は需要が安定している。上位機種の部品を優先して在庫確保すると、機会損失が減る
告知・メニュー設計
需要が多い機種を前面に出した価格表や告知は、来店のきっかけになりやすい
旧機種への対応
iPhone 8のような旧機種の依頼も一定数ある。対応できることを明示すると、来店のハードルが下がる
機種のランキングは季節や時期、地域によって変わることがあります。定期的に確認することで、仕入れの見直しや訴求内容の更新タイミングがわかりやすくなります。
まとめ:データを見ると、傾向に「偏り」がある
今回の集計で見えてきたことをまとめます。
- 曜日:水曜を中心に週の中盤から後半に依頼が集まりやすい。月曜は比較的少ない
- 時間帯:12時前後と16時前後に2つのピーク。昼休みと仕事・学校終わりのタイミングが重なっている
- 年代:20代が最多、次いで40代・30代。10代以下・60代以上は少なめ
- 修理カテゴリ:バッテリー系が圧倒的に多く、液晶系が続く。この2カテゴリで依頼の大半を占める
- 機種:iPhone SE(第2世代・第3世代)と13系が上位。iPhone 8など旧機種も根強い需要がある
こうした傾向は、現場の肌感覚と重なる部分もありますが、グラフにして見ると「ここまで偏りがあったのか」と改めて気づくものもあります。件数が多い曜日・時間帯に合わせた体制づくり、需要の高い修理カテゴリへの部品在庫の集中、機種ランキングを踏まえた告知メニューの見直し——いずれも、記録を分析することで根拠を持って判断できます。
修理記録は、件数を積み上げるだけで終わりにするのではなく、傾向として読み解くことで、店舗運営の判断材料になります。数字そのものより、その数字が示すパターンに目を向けることが、現場の感覚を補完するうえで役立ちます。