まず結論|データから見えてきた3つの傾向
細かい分析に入る前に、158件のデータ全体を通じて見えてきた傾向を3つにまとめます。
① 修理依頼はSE世代・13世代に集中 ② 古い機種はバッテリー、新しめ機種は画面修理が多い ③ 件数はバッテリー交換、売上インパクトは画面修理が強い
以下で順番に解説します。
傾向① 修理依頼はSE世代と13世代に集中
修理依頼が最も多かったのはiPhone SE(第2世代)で20件、次いでiPhone 13が17件でした。この2機種だけで全体の約24%を占めます。SE第3世代(12件)やiPhone 12(10件)、iPhone 8(9件)と続き、コスパ重視の機種や定番モデルへの集中が目立ちました。
流通台数が多い機種ほど修理件数も増えやすいという面はありますが、それを踏まえても「よく使われている機種」「長く使われている機種」が上位に並ぶ傾向は明確です。
傾向② 古い機種はバッテリー、新しめ機種は画面修理が多い
機種の発売年数と修理内容には、はっきりとした相関が見られました。iPhone 8やSE第2世代など発売から年数が経った機種では、バッテリー交換の割合が高くなっています。一方、iPhone 12・13・15といった比較的新しい機種では、画面修理の比率が上がってくる傾向がありました。
「古くなったらバッテリー、ちょっと使ってきたら画面」——大まかにはそんなイメージで覚えておくと、自分のiPhoneのトラブルを予測しやすいかもしれません。
傾向③ 高単価は画面修理、件数を作るのはバッテリー交換
修理の件数だけ見るとバッテリー交換が圧倒的に多いのですが、修理費用のインパクトという視点では画面修理の方が大きくなりやすいです。特にiPhone 15・16 Pro Maxなど新しい上位機種の画面修理は、単価が2〜3万円台になることも珍しくありません。
「たくさん来る修理」と「費用がかかる修理」は必ずしも一致しない、というのがデータから読めるポイントです。
記事内の数字はすべて当店の修理完了データ(158件)をもとにしています。地域・客層・時期の集計であり、全国の傾向を代表するものではありません。参考情報としてご活用ください。
iPhoneでよくある故障の種類
機種別ランキングに入る前に、iPhoneに多い故障の種類を整理しておきます。
① バッテリー劣化・バッテリー交換
当店データでも最も件数が多かった修理内容です。iPhoneのバッテリーはリチウムイオン電池で、充電と放電を繰り返すことで少しずつ性能が落ちていきます。使い始めから2〜3年経つと、体感できる変化が出てくることが多いです。
- 「最近すぐ充電が切れる」と感じたら劣化のサイン
- 電池残量があるのに突然電源が落ちる場合も要注意
- 設定アプリの「バッテリーの状態」で80%を下回ると交換を検討する目安
② 画面割れ・液晶不良(画面修理)
落下による画面割れはスマートフォン修理の定番です。ガラスのみのひびであれば使い続けられる場合もありますが、液晶まで損傷すると表示の乱れやタッチ操作の不具合が起きます。また、ひびを放置すると内部への水の侵入リスクが高まるため、早めの対処がおすすめです。
③ 充電不良・充電できない
「ケーブルを挿しても充電されない」という症状は原因の幅が広く、充電ポートのホコリ詰まり・ケーブルの不具合・バッテリー本体の問題など、様々な可能性があります。別のケーブルや充電器で試しても改善しない場合は、早めに修理店で確認してもらうことをおすすめします。
④ その他(カメラ・背面ガラス・ソフトウェア)
件数は少ないものの、カメラのピントが合わない・背面ガラスが割れた・iOS更新後に動作がおかしくなった、といったケースも一定数あります。特に背面ガラスはiPhone 12以降の機種に搭載されており、前後両面のリスクがある点は意識しておくといいでしょう。
修理依頼が多かったiPhone機種ランキングTOP10
当店データ(158件)における機種別の修理件数です。
| 順位 | 機種名 | 修理件数 | 主な修理内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | iPhone SE(第2世代) | 20件 | バッテリー交換中心 |
| 2 | iPhone 13 | 17件 | バッテリー・画面ほぼ同数 |
| 3 | iPhone SE(第3世代) | 12件 | 画面修理がやや多め |
| 4 | iPhone 12 | 10件 | バッテリー・画面が同数 |
| 5 | iPhone 8 | 9件 | バッテリー交換がほぼ全件 |
| 6 | iPhone 12 Pro | 7件 | バッテリー交換中心 |
| 7 | iPhone 15 | 6件 | 画面修理(単価高め) |
| 7 | iPhone 11 Pro | 6件 | 画面修理中心 |
| 9 | iPhone 11 | 5件 | — |
| 9 | iPhone XR | 5件 | — |
上位は長年にわたって出回っている定番機種が中心です。流通量が多い機種ほど修理件数が増えやすいのは当然ですが、「長く使い続けているユーザーが多い機種」という視点も重なっています。iPhone 14シリーズがランク外なのは、まだ発売から日が浅くバッテリー劣化が本格化していない可能性があります。
バッテリー交換が多かったiPhone機種ランキング
| 順位 | 機種名 | バッテリー交換件数 | 発売年 |
|---|---|---|---|
| 1 | iPhone SE(第2世代) | 12件 | 2020年 |
| 2 | iPhone 13 | 7件 | 2021年 |
| 3 | iPhone 8 | 6件 | 2017年 |
| 4 | iPhone SE(第3世代) | 5件 | 2022年 |
| 5 | iPhone 12 | 4件 | 2020年 |
| 5 | iPhone 12 Pro | 4件 | 2020年 |
バッテリー交換の上位には、発売から4〜9年が経過した機種が並びます。SE第2世代・iPhone 8はそれぞれ2020年・2017年の発売で、バッテリーの自然劣化が本格化しやすい時期に差し掛かっています。「まだ本体は問題ないのにバッテリーだけがつらい」という状態のまま使い続けているユーザーが来店されるケースが多い印象です。
劣化の目安
一般的に使用開始から2〜3年でバッテリーの体感劣化が出やすくなる。4年超では交換を検討する方が増える
交換後の変化
バッテリーを新品に交換すると「まるで買い替えたみたい」と感じる方も多い。本体が良好な状態であれば修理コスパは高め
確認方法
設定 → バッテリー → バッテリーの状態 から現在の最大容量が確認できる。80%を切ると交換を考えるタイミング
画面修理が多かったiPhone機種ランキング
| 順位 | 機種名 | 画面修理件数 | 参考:平均単価 |
|---|---|---|---|
| 1 | iPhone SE(第2世代) | 6件 | — |
| 1 | iPhone 13 | 6件 | — |
| 1 | iPhone SE(第3世代) | 6件 | — |
| 4 | iPhone 15 | 4件 | 約23,950円 |
| 4 | iPhone 11 Pro | 4件 | — |
| 4 | iPhone 12 | 4件 | — |
| 7 | iPhone 13 Pro | 3件 | 約23,200円 |
| 7 | iPhone 16 Pro Max | 3件 | 約34,600円 |
画面修理の件数では上位3機種が同数になりました。注目したいのは、機種によって修理費用のレンジが大きく異なる点です。iPhone 15の画面修理は平均で約23,950円、iPhone 16 Pro Maxは約34,600円と高額になる傾向があります(損傷の程度や部品の状況により変動します)。
「画面が割れた」という症状は同じでも、機種によって修理費用は大きく変わります。特に新しい上位機種をお使いの方は、修理費用のイメージとして事前に把握しておくと安心です。
画面修理の価格は、損傷の程度(ガラスのみか液晶まで割れているか)・機種・修理店によって変わります。上記の金額は当店集計の参考値であり、絶対価格を保証するものではありません。
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機種別くわしい解説
修理件数上位5機種について、傾向・背景・修理を検討する際のポイントを深掘りします。
20件
合計修理件数
12件
バッテリー交換
6件
画面修理
なぜバッテリー交換が多いのか
2020年4月に発売されたSE第2世代は、手頃な価格と4.7インチのコンパクトなボディから幅広い年代に支持されてきました。発売から5〜6年が経過し、バッテリーの自然劣化が進みやすい時期に入っています。「まだ本体は問題ない。バッテリーだけがつらい」という状態で来店される方が非常に多い機種です。
バッテリー交換が修理全体の60%を占めているのは、長期間大切に使い続けているユーザーの多さを反映しているといえます。
画面修理について
コンパクトな端末は片手持ちになりやすく、滑り落としやすいという側面もあります。画面サイズが小さいぶん修理費用は比較的抑えやすい傾向がありますが、ひびを放置すると内部への水の浸入リスクが高まるため、早めに対処することをおすすめします。
修理か買い替えか
バッテリー交換だけであれば、本体の状態が良ければ費用を抑えながら使い続けることができます。一方でOSのサポート期限やカメラ性能・通信速度に不満を感じている場合は、このタイミングで買い替えを検討する選択肢もあります。
17件
合計修理件数
7件
バッテリー交換
6件
画面修理
バッテリーも画面も、どちらも一定数ある"オールラウンダー"
2021年発売のiPhone 13は、発売から4〜5年が経過し、バッテリー劣化の「第一波」が本格化しつつある機種です。当店データではバッテリーと画面修理がほぼ同数で、バランス型の傾向が見られました。
注目したいのは「バッテリー+画面の同時修理」が2件あった点です。「どうせ修理に出すなら両方まとめて直したい」という判断や、画面割れがあった際に液晶も傷んでいたというケースが含まれます。同時修理は費用が重なりますが、1回の対応で済むメリットもあります。
今後さらに増える可能性がある機種
iPhone 13はシリーズ全体で販売台数が多く、今後さらにバッテリー交換の件数が増えていく可能性があります。「そろそろかな」と感じたら早めに確認しておくと安心です。
修理か買い替えか
iPhone 13はAppleの長期サポートを受けやすい世代であり、本体の状態が良ければ修理してまだ数年使い続けることができます。カメラや処理速度に不満がある場合は、15・16世代への移行を検討してもよい時期かもしれません。
12件
合計修理件数
6件
画面修理
5件
バッテリー交換
発売年数が浅いのに画面修理が多い理由
2022年発売のSE第3世代は、発売から3〜4年と比較的新しい機種ですが、すでに12件の修理依頼がありました。特徴的なのは、バッテリー交換よりも画面修理が多い点です。
コンパクトな4.7インチのサイズは持ち運びやすい反面、落としやすい一面もあります。また、発売年数が浅いためバッテリー劣化がまだ本格化していないことが、バッテリー交換件数が少ない要因と考えられます。今後はバッテリー交換の件数が増えていく可能性があります。
修理か買い替えか
まだ発売から日が浅く、本体の状態が良いケースがほとんどです。画面割れは放置せず早めに修理することで、本体を長持ちさせることができます。
10件
合計修理件数
4件
バッテリー交換
4件
画面修理
バッテリーと画面がきれいに同数という傾向
2020年発売のiPhone 12は、バッテリー交換と画面修理がそれぞれ4件ずつという均等な傾向を示しています。5Gに対応した最初の世代として、発売から5〜6年が経過した今もまだ使い続けているユーザーが多い機種です。
iPhone 12は前後がガラス素材を採用しているため、落とした際に前面と背面のどちらも割れるリスクがあります。今回のデータには背面ガラスの件数は含まれていませんが、相談が来ることも他機種に比べてやや多い印象です。
修理か買い替えか
バッテリー交換だけであれば費用対効果は高めです。5G対応機種のため、通信環境を活かして使い続けることは十分合理的な選択です。
9件
合計修理件数
6件
バッテリー交換
7〜8年前の機種が今も現役で修理に来る
2017年発売のiPhone 8は、すでに7〜8年以上が経過した機種です。それにもかかわらず9件の修理依頼があり、「まだ使えるから使い続けたい」というユーザーの根強い需要を反映しています。
修理件数の大半はバッテリー交換です。これだけ年数が経つとバッテリーの劣化はかなり進んでいることが多く、交換後に「全然違う」と驚かれる方も少なくありません。
修理か買い替えか(このケースは特に慎重に)
バッテリー交換費用自体は比較的リーズナブルな傾向にありますが、OSのサポート状況や対応アプリの制約が今後増えていきます。「あと1〜2年だけ使いたい」という目的であれば修理も有効ですが、長期的に使いたい場合は機種変更の検討もあわせておすすめします。
一般ユーザーが知っておきたい実用知識
バッテリー交換を検討すべきサイン
こんな症状が出たら要確認
- 充電が1日持たなくなってきた
- 電池残量があるのに突然電源が落ちる
- 充電が終わっても「100%」になかなか届かない
- 設定 → バッテリー → バッテリーの状態 が80%を下回っている
- 充電しながらでないとアプリがサクサク動かない感覚がある
バッテリーは消耗品です。一定の劣化は避けられませんが、交換することで「買ったときのような使い心地」に近づけることが多いです。
画面割れを放置するとどうなるか
「少しくらいのひびなら使える」と思いがちですが、放置するリスクはいくつかあります。
- ひびが徐々に広がり、タッチ操作に支障が出る
- ガラスの欠けた部分で指を傷つける可能性がある
- 隙間から水分・ホコリが侵入し、内部部品が傷む
- 液晶まで損傷すると修理費用が大きく上がる
軽いひびであっても、早めに修理することで費用を抑えやすいことが多いです。
「充電できない」症状への対処
充電できない・充電が遅いといった症状は原因の幅が広いため、以下の順番で確認してみてください。
- 別のケーブル・充電器で試す
- 充電ポートにホコリが詰まっていないか確認(爪楊枝などで優しく除去)
- iPhoneを再起動してみる
- 上記を試しても改善しない場合は修理店で診てもらう
基板レベルの問題になると修理が複雑になることがあるため、「ケーブルを変えてもダメ」という場合は早めの相談をおすすめします。
修理か買い替えか|判断のポイント
| チェック項目 | 修理向き | 買い替え向き |
|---|---|---|
| 本体の状態 | 1〜2か所のみ不調 | 複数箇所が同時に不調 |
| OSサポート | 継続中 | 終了済み・終了間近 |
| 使用年数 | おおむね4年以内 | 5年以上 |
| 操作性・性能 | 現状に満足している | 遅さ・カメラに不満 |
| 修理費用 | 本体価格の30%以下 | 本体価格に近い |
どちらが正解かは状況によって変わります。「直すべきかどうか迷っている」という場合は、まず修理店で状態を診てもらうことで判断材料が揃います。
修理店目線で見るデータの読み方
このパートは、修理業者の方や業界に詳しい方向けに、データの見方を整理します。一般の方にも参考になる内容ですが、現場の視点として読んでいただければ幸いです。
件数型の機種と単価型の機種
今回のデータを「件数」と「単価」の2軸で整理すると、大きく2つのグループに分かれます。
件数型の機種
SE第2世代・iPhone 8・SE第3世代など。バッテリー交換を中心に件数が積みやすい。部品コストが読みやすく、回転数で売上を作りやすい。
単価型の機種
iPhone 15・16 Pro Maxなど。件数は少ないが1件あたりの単価が高く、画面修理で2〜3万円台になることも。利益インパクトが大きい。
「件数型の機種で集客し、単価型の案件で利益を作る」という組み合わせが、データから見えてくる傾向です。どちらを重視するかは店舗の立地・客層・方針によって変わります。
定番在庫を持っておきたい機種
SE第2世代・iPhone 13・SE第3世代・iPhone 12あたりが、安定した修理需要のある機種といえます。これらの機種向けのバッテリー・画面パーツを一定数ストックしておくことは、当日対応や回転率の面でメリットがあります。
一方でiPhone 8は件数こそあるものの、今後の需要が徐々に縮小していく可能性があります。在庫は最小限に絞りつつ、必要時に調達できるルートを持っておく方が現実的かもしれません。
今後注目しておきたい機種
- iPhone 14シリーズ:今回のデータでは件数が少なかったものの、発売から2〜3年が経過しており、今後バッテリー交換の需要が増えてくることが予想されます
- iPhone 15シリーズ:すでに画面修理の高単価案件が動いています。画面部品の調達体制を整えておく価値があります
- iPhone 16 Pro Max:件数は少ないものの平均単価が突出しています。対応できる体制があれば1件あたりのインパクトが大きい案件です
まとめ|自分の機種の傾向を知っておくと、いざというとき慌てない
今回の記事では、当店の修理データ158件をもとに、iPhoneの機種別修理傾向を整理しました。最後にポイントをまとめます。
- 修理件数が多い機種は、SE第2世代・iPhone 13・SE第3世代・iPhone 12・iPhone 8といった定番モデルが中心
- 古い機種ほどバッテリー交換が多く、発売から3〜4年以上経過した機種ではバッテリー劣化が本格化しやすい
- 新しめの上位機種は画面修理の単価が高くなりやすく、修理費用のイメージを事前に知っておくことが重要
- バッテリー・画面どちらも、症状が軽いうちに対処することで費用を抑えやすい
- 修理か買い替えかは、機種の年数・OSサポート状況・修理費用を総合的に判断するのがおすすめ
「古くなったらバッテリー、新しめの機種は画面修理に注意」——この傾向を知っておくだけで、「なんか最近おかしいな」と感じたときに慌てずに判断できます。
修理すべきかどうか迷っている・症状を診てほしい・費用感を確認したい、という場合はお気軽にご相談ください。診断だけでも対応しています。