はじめに:修理記録を「傾向」として読み解く
スマホ・PC修理店には毎日さまざまな修理依頼が届きます。「今日はバッテリー交換が多かった」「iPhone 13がまた来た」——現場の感覚はあっても、それが月単位でどんな傾向を示しているのかは、データにしてみないとなかなか見えてきません。
今回は、今回のRepairOSに記録されたデータとして、2026年4月1ヶ月分の修理記録を集計しました。機種別・故障内容別・年齢層別・曜日と時間帯別にそれぞれの傾向を読み解いていきます。
特定の店舗・地域に限定したデータではありますが、修理需要の実態を知るうえで参考にしていただける内容かと思います。「今回のRepairOSに記録されたデータでは」という前提でご覧ください。
2026年4月に多かった修理機種
まず、機種別の修理件数を見てみます。スマホ修理のデータ分析で最初に注目すべきは「どの機種が多いか」です。修理店の在庫管理にも直結する重要な指標です。
修理機種ランキング(2026年4月) RepairOSに記録された修理データをもとに集計。上位10機種を表示しています。
今回のデータでは、iPhone 13が11件でトップとなりました。続いてiPhone SE(第2世代)が8件、iPhone 11とiPhone X、iPhone 15がそれぞれ4件と続きます。上位10機種の内訳は以下の通りです。
- iPhone 13:11件
- iPhone SE(第2世代):8件
- iPhone 11:4件
- iPhone X:4件
- iPhone 15:4件
- iPhone 12 Pro:3件
- Switch:3件
- iPhone 14 Pro:3件
- iPhone 8:3件
- iPhone SE(第3世代):3件
なぜiPhone 13とSE2が多いのか
iPhone 13は2021年秋に発売されたモデルです。発売から約4〜5年が経過しており、バッテリーの劣化が顕在化しやすい時期に差しかかっています。販売台数が非常に多かった機種でもあるため、現在も幅広い年代で使われており、修理需要が集まりやすい状況と考えられます。
iPhone SE(第2世代)も同様に、2020年発売のモデルとして多くのユーザーに親しまれてきました。コンパクトなサイズ感と手頃な価格帯で長期間使い続けているユーザーが多く、バッテリー劣化や液晶破損が増えやすい時期に入っているため、修理件数が一定数維持されている傾向が見えます。
iPhone SE2 バッテリー交換の需要が根強い背景には、こうした「発売から数年経ったベストセラー機種が、ちょうど劣化のピークを迎えている」という構造があるようです。
ゲーム機のSwitchも3件と一定数登場しています。スマホ以外の端末修理にも対応できると、取り込める需要の幅が広がります。
多かった故障内容:バッテリー交換と液晶破損が圧倒的
次に、故障の種類(修理カテゴリ)ごとの件数を確認します。スマホ修理のデータ分析において、故障内容の傾向を把握することは、修理店の在庫管理と修理スキルの優先順位づけに直結します。
修理カテゴリランキング(2026年4月) バッテリー交換が42件、液晶破損が34件と、この2カテゴリで全体の大半を占めています。
今回のデータで最も多かったのはバッテリー交換(42件)、次いで液晶破損(34件)でした。この2カテゴリだけで全体の修理件数の大部分を占めており、修理傾向として非常に明確な結果が出ています。以下が上位10カテゴリの内訳です。
- バッテリー交換:42件
- 液晶破損:34件
- 起動不良:7件
- 表示不良:6件
- 充電不良:6件
- 高温になる:3件
- 画面割れ:3件
- ボタン不良:2件
- 初期化:2件
- カメラ故障:1件
一般ユーザーが気をつけたい症状
修理店に持ち込まれる前に、こんな症状が出ていませんか?早めの相談が修理費用の抑制やデータ紛失の防止につながることがあります。
こんな症状は早めに修理店に相談を
- 充電の減りが早くなってきた——バッテリー劣化のサインです。放置すると突然電源が落ちるリスクが高まります
- 突然電源が落ちる・再起動を繰り返す——バッテリーの膨張や劣化が進んでいる可能性があります
- 画面に線が入る・色がおかしい——液晶への内部ダメージが進行していることがあります
- タッチが効かない箇所がある——落下などによる液晶基板への影響が出ている可能性があります
- 落下後に表示がおかしくなった——外観に変化がなくても内部で液晶が破損していることがあります
特に画面の破損は「少し割れているだけだから大丈夫」と放置しがちですが、ひびが広がると修理費用が高くなったり、タッチパネルが完全に反応しなくなるケースもあります。気になる症状があれば、早めに修理店に持ち込むことをおすすめします。
修理店側の活用ポイント
修理カテゴリの傾向データは、修理店の在庫管理と仕入れ判断に活かせます。
バッテリー在庫の最適化
バッテリー交換が圧倒的に多いため、主要機種のバッテリー在庫を厚めに持つことで欠品リスクを減らせる
液晶パネル在庫の確保
液晶破損も件数が多く、上位機種(iPhone 13・SE2など)の液晶パネルは優先して確保したい
データで仕入れを判断
感覚ではなく修理件数の実績データをもとに仕入れ量を決めることで、過剰在庫・欠品の両方を防ぎやすくなる
よく出る機種と故障の組み合わせを把握しておくと、「iPhone 13のバッテリーが来たらすぐ対応できる状態」を維持しやすくなります。
修理記録が自動でデータ化されます
RepairOSは修理受付を入力するだけで、機種別・故障カテゴリ別・曜日・時間帯の傾向を自動集計します。今回のような分析も、蓄積したデータをもとに行いやすくなります。
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年齢層・性別から見える修理傾向
修理を依頼する方の属性を年齢層と性別で見ると、また別の傾向が浮かび上がります。今回のデータでは、性別・年代と修理機種の組み合わせを確認しました。
性別・年齢層 × 修理機種の傾向(2026年4月) 今回のRepairOSに記録されたデータでは、男性30〜40代の修理件数が多く、iPhone修理が中心となっています。
今回のデータでは、男性30代・40代の修理件数が多い傾向が見えます。この年代はスマートフォンをビジネスでも活用する機会が多く、端末に対する依存度が高いため、不具合が出ると早めに修理に向かう行動をとりやすいのかもしれません。
修理機種の内訳としては、iPhone修理が中心を占めています。また、男性20代から40代ではパソコン修理も一定数含まれている傾向が見えます。テレワークや副業が広がり、PCを日常的に使う方が増えた影響が反映されているとも考えられます。
女性30代にもiPhone修理の需要が見られます。育児や仕事でスマートフォンへの依存度が高まる年代として、修理需要が生まれやすいのかもしれません。
年代・性別の傾向は、集客施策を考える際の参考になります。どの層に届けたいかによって、Google投稿やSNSでの発信内容を変えると効果が出やすくなります。
男性30〜40代への訴求
ビジネス利用者に刺さる「当日対応」「データ保護」などのポイントを前面に出すと反応しやすい
女性30代への案内
iPhone修理の実績・対応の安心感を伝えることで、来店のハードルを下げやすい
PC修理への対応
パソコン修理の需要も一定数ある。対応メニューをわかりやすく告知することで取りこぼしを防げる
曜日・時間帯で見る修理需要
修理需要は曜日や時間帯によっても偏りが生まれます。今回のデータから見えた傾向を確認しておきましょう。修理店の売上分析において、「いつ動きが多いか」を把握することはスタッフ配置や修理スケジュールの最適化に役立ちます。
曜日・時間帯別の修理受付傾向(2026年4月) 火曜・水曜・土曜に動きが集中しやすく、金曜は他の曜日に比べて弱い傾向が見えます。時間帯は午前後半から夕方にかけてが主な受付ピークとなっています。
曜日ごとの傾向
今回のデータでは、火曜・水曜・土曜に修理受付の動きが大きい傾向が見えます。平日の中盤と週末の土曜が重なるかたちです。一方、金曜は他の曜日と比べて動きが弱い傾向が見られました。週末の予定が入りやすい曜日だからかもしれません。
時間帯ごとの傾向
時間帯では、午前後半から夕方にかけて修理受付が集中しやすい傾向が見えます。仕事や学校の合間に立ち寄れる時間帯に重なっており、来店のタイミングとして自然な流れと考えられます。
スタッフ配置への活用
動きの多い火・水・土の午前後半〜夕方は、受付・作業を複数対応できる体制を整えておくと安心
重めの修理のタイミング
ピーク帯に入る前の午前中に時間のかかる修理を受けておくと、夕方の引き渡しがスムーズになりやすい
金曜の活用
動きが弱い金曜は、作業に集中したり、在庫整理やスタッフ教育に充てるなど、別の使い方を考えやすい
来店を検討している方へ:動きが多い曜日・時間帯は混み合いやすい傾向があります。比較的落ち着いた時間帯を選ぶと、待ち時間を減らしやすくなります。
修理店がこのデータからできること
今回のようなスマホ修理のデータ分析から、修理店が日常業務にすぐ活かせることをまとめます。
在庫調整:感覚から数字へ
修理件数が多い機種・故障カテゴリがわかれば、在庫管理の優先順位が立てやすくなります。iPhone 13とSE2のバッテリー・液晶パネルは今回のデータでも上位に位置しており、これらを常時確保しておくことで欠品リスクを下げられます。逆に動きの少ない機種の部品を大量に抱えるリスクも減らせます。
スタッフ配置の最適化
動きが多い曜日・時間帯がわかれば、人員配置を需要に合わせて調整できます。混む時間帯に手薄になると、受付対応が遅れてお客様の満足度が下がる原因にもなります。データを根拠にした配置計画は、感覚的な判断より説明しやすく、スタッフ間での認識合わせもしやすくなります。
Google投稿やブログのネタ化
「今月はiPhone 13のバッテリー交換が多かった」「土曜の午後は混み合いやすいです」といった情報は、Googleビジネスプロフィールの投稿やブログのネタとしても使えます。来店前に読んだユーザーにとって参考になる情報は、信頼感につながります。
キャンペーン設計
需要の少ない曜日(今回のデータでは金曜)に向けたキャンペーンを組むことで、来店を分散させる効果が期待できます。また、需要が高いカテゴリ(バッテリー交換)をフィーチャーしたメニュー訴求は集客に直結しやすいです。
データ経営への移行
「感覚」で判断していた部分をデータで裏付けると、仕入れの交渉・スタッフとの共有・新サービスの検討など、経営判断の説得力が高まります。修理記録を「入れるだけ」でデータが積み上がる仕組みがあれば、こうした分析のハードルは大きく下がります。
一般ユーザーが気をつけたいこと
修理データを見ると、「修理に来る前に何をすべきだったか」が見えてくることがあります。スマホの調子が気になる方へ、意識しておいてほしいポイントをまとめます。
バッテリー劣化のサインを見逃さない
充電の減りが速くなった、急に電源が落ちる——これらはバッテリー劣化の典型的なサインです。設定アプリからバッテリーの最大容量を確認できる場合があります(iPhoneなら「設定 → バッテリー → バッテリーの状態と充電」)。80%を下回っているようであれば、交換を検討する頃合いです。
画面破損を放置するリスク
「少し割れているだけ」と思っていても、時間が経つとひびが広がり、内部の液晶にダメージが及ぶことがあります。液晶が傷むと修理費用が上がり、最悪の場合はタッチが全く効かなくなるケースもあります。画面の割れに気づいたら、できるだけ早めに確認してもらうことをおすすめします。
充電不良や起動不良は早めに相談を
充電できない、ケーブルを差しても反応が不安定、電源が入らないといった症状は、コネクタの汚れや基板の問題につながっていることがあります。放置すると症状が進行し、修理が難しくなることもあります。「まだ使えるから」と我慢しすぎず、早めに修理店に相談することを検討してみてください。
古い機種ほどデータバックアップを
今回のデータにはiPhone 8やiPhone Xなど、発売から7〜8年が経過した機種も含まれています。古い端末は突然起動しなくなるリスクも高まります。修理に出す前に、iCloudやパソコンを使って定期的にバックアップをとっておくことが重要です。万が一のときでも、データがあれば安心感が違います。
RepairOSでできること
今回の分析で紹介したような修理傾向は、修理記録が蓄積されているからこそ見えてくるものです。RepairOSでは、修理店の日常業務をシンプルに管理しながら、こうしたデータを自然に積み上げていける仕組みを提供しています。
- 修理記録を残すだけで、在庫・売上・粗利が自動で連動——1件修理を受け付けるたびに、在庫の引き落とし・売上への反映が自動で行われます
- CSV出力やデータ分析に活用できる——蓄積したデータをCSVで書き出し、外部ツールで分析したり、AI分析に渡したりすることも可能です
- 感覚ではなくデータで店舗運営を判断できる——機種別・故障別・曜日別の傾向が数字で把握できるため、仕入れやスタッフ配置の根拠として使えます
- 修理店向け管理ツールとして、現場の流れに合わせた設計——修理受付から完了・売上確定まで、修理店の実際のフローに沿った画面設計になっています
今回のような修理傾向分析も、日々の記録が積み上がることで初めてできます。RepairOSでは、特別な集計作業をしなくても、記録を入れていくだけで傾向が見えてくる環境を整えています。